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バーを開業したいと相談されてアドバイスしたこと

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私は小さなBARを経営しています。2000年に開業したのでもう15年になりますね。来店されるお客様の中には、将来サラリーマンを辞めてBARを経営したいという方がいらっしゃいます。

お話を伺っていると、単なる憧れやなんとなくでしか考えていらっしゃいません。私は、開業前に5年ほどバーテンダーとして働いていました。そのうち2年は雇われ店長として数字の計算もしてきたのです。

バーを開業したい方に簡単な経営の数字のアドバイスをしてみると、経営の厳しさを実感される方がほとんどです。

 

目次

1日の売上目標

飲食店経営のでよく言われる話に、3日の売上げで1ヶ月の家賃を稼げるくらいが良いというものがあります。

家賃がもしも15万円だとしたら、1日に5万円を売り上げなければなりません。平日と週末でかなりの差がありますが、月25日の営業だとすると毎月125万円の売り上げがあれば安定した経営が出来ると思います。

飲食店の原価率は30%ぐらいです。この場合だと37万円となりますね。水道・光熱費や雑費で数万円、忙しいと思う日にはアルバイトを雇わなければなりません。125万円の売上から必要経費を引いて、新規開業時での借り入れの返済で手元に残るのが40万円から50万円ぐらいになるでしょう。

3日で1ヶ月の売り上げれるお店は繁盛しているといえるでしょうね。

 

客単価と来店客数

1日に5万円を売り上げようとすると、カクテル1杯700円ならば1日に70杯ほどオーダーがなければいけないのです。1杯で帰られる方や沢山飲んでくださる方もいらっしゃいますが、平均すると3、4杯ほどで帰られる方が多いのではないでしょうか。居酒屋などでお食事と一緒にお酒を飲んでから2軒目に来店される方は、そんなにたくさん飲めません。飲めるお酒の限界量がありますからね。

おひとり3、4杯だと客単価は2500円ほどなので、1日約20人に来店してもらわなければなりません。

あなたや周りの方はどれぐらいのペースで飲みに行きますか?

人は3食食事をするので、居酒屋や食事が出来る店にはよく行くと思います。では、この1ヶ月でお酒だけを目的にBARに行った回数を数えてみてください。5回ですか?それとも10回ですか?さらに質問すると、同じ店に何度行きましたか?

日曜日が定休日だとすると、週に1回飲みに来てくれるお客様が120人いてくれなければなりませんね。

毎週来てくれる友達が120人いてますか?

もしもあなたがバーを開業したら、友達や知り合いの方が飲みに来てくれると思います。しかし全員が常連客になってくれるわけではないのです。最初の1ヶ月は新規開店のお祝いで賑わうのですが、お祝いムードが落ち着いたら徐々に客足が減り資金繰りがショートし1年も持たずに閉店した話も聞きます。そうならないためにも新規のお客様を増やしましょう。

安定して毎日20人のお客様に来ていただくことは簡単ではありません。バー経営を持続させるためには、再び来店したいと思わせることと新規来店を促す努力を日々し続けることが大切だと思います。

 

新規開業時の費用

バーを新規開業するとなると多額の費用が必要となります。全て自己資金で用意できればいいのですが、資金が足りない場合は借り入れる必要があります。借り入れですから毎月返済する義務が生まれますよね。毎月の売り上げから返済していくことになります。

物件所得費

店舗物件を借りるために必要な費用です。保証金、前家賃、不動産仲介手数料などで、これらを全て合わせると地域によりますが家賃の8~12ヶ月分位になる場合が多いようです。家賃が15万円なら150万円前後だと思います。

内外装・設備工事費

設計費、内外装工事費、看板設置、電気水道ガス電話等の工事、冷暖房機器などです。スケルトンから自分好みの店に作る場合は、一坪あたり約50万円前後、こだわれば100万円以上の工事費が目安になります。例えば10坪のお店であれば500万円前後、最大で1,000万円も掛かります。ただし、居抜き物件で費用を抑えることは出来ます。

什器・備品・消耗品費

イス、テーブル、食器、音響、照明、インターネット設備、インテリア、メニュー、名刺などなど。細かい費用も積み重なると結構な額になります。

運転資金

日々の経費や家賃など開業後にかかるお金を、あらかじめ余裕を持っておくことが大切です。最低でも仕入れとアルバイトの人件費と自分の生活費を合計3ヶ月分くらいは用意しておきたいですね。

 

BARの売り上げには限りがある

物販のお仕事経験がある方はわかると思いますが、商品が爆発的にヒットすると売上は飛躍的に大きくなります。しかし飲食店であるBARの場合、座席数と営業時間と飲める量に限りがあるので忙しい日でも売り上げには限界額があり大もうけすることは出来ません

反面、1人で営業している日でヒマなときはどうすることも出来ません。せめて営業電話をし、SNSやブログなどを更新するぐらいでしょうか。物販だとオークションやネットショップなどで店舗以外でも売り上げを上げることが出来るので、儲けたい方にはBAR経営はおすすめできません。

 

必要経費は毎日掛かる

お客様がゼロの場合や臨時休業にした場合でも必要経費は掛かります。売り上げの3割となる原価と、月額家賃の1日分が最低限の必要経費です。

月15万円の家賃ならおよそ1万円の売り上げがあってプラスマイナスゼロなんです。1万円を超えないと自分の収入にはなりません。1日の売り上げがゼロの日は家賃1日分6000円の損失ということになります。

 

経営者に大切なもの

お金の管理や大切さは開業時にしっかり考えましょう。「何とかなるさ」で開業して失敗すると大変なことになります。私の場合、すぐに失敗し閉店したときのために「重労働で高収入の仕事」の準備までして開業しました。

開業時は不安で仕方がありませんでしたが、いざオープンしてしまうと「店を維持すること」「借金を返さなければいけない」ということだけは常に考えてきました。でも長年、経営していると売り上げがいい時も悪い時もありますよね。順調なときは天狗になって遊んでばかりいたときもありました。サボると自分に返ってきて売り上げが下がり閉店も考えたこともある。借金を完済した現在は自由にやりつつ「店を維持すること」目標にしている。

BARを新規で開業したいと考えている方には、「店を維持すること」のために「お金の管理能力」は大切にしてほしいと思います。

 

 

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